アド運用型広告は管理画面の数字とにらめっこして分析するみたいなイメージがある気がしますが、実態としてKPIはかなりシンプルで分析作業自体よりも地道な改善で解決することが主になります。
結果を正しい数値で受け取れることが運用型広告の強みなので、仮説を煮詰めるよりもいかに効率良くパワープレイするかがセンスと経験が問われるところです。
コンバージョン目的のKPIですが弊社で見ているのは下記だけです。(認知目的の場合は別の数値も見ます)
では、弊社の改善ロジックを具体的に下記の場合で見ていきましょう。
目標CPA 9,000円
CPC 400円
CVR 2.5%(コンバージョン数/出稿リンククリック)
実CPA 16,000円
目標値からオーバーしているので改善が必要です。CPA=CPC/CVRなので合わせるにはCPCを225円にするかCVRを4.4%に改善するかになります。
もちろん両方やっても良いのですが、改善しやすいほうから改善したほうが効率は良いです。
ここからは経験が生きて来るのですが、商材と媒体によって平均的なCPCというのはある程度決まっています。
一例としてFacebook/Instagramの美容クリーム商材ならばCPCのレンジは150~300円、CVRは1~3%程度です。
この商材が美容クリームならばCVRは良いけど、CPCはかなり悪いことが解ります。(=CPCに改善余地がある)
※CVRが悪い場合は記事及びLPの修正になるのですが、LPは広告主様の管理下であることがほとんどなので、弊社からはアドバイスという形で改善点をお伝えさせて頂いています。
ということで、まずはCPCを改善していくことにします。
次にKPIツリーでCPC配下にあるCPMとCTRをチェックします。
CPMは出稿媒体(Facebookなど)がLP、クリエイティブから広告商材のカテゴリをチェックし、おおまかに決定します。
こうなるとCPMはコントロールできないので、CTRを上げていくと考えそうになりますが、実はCPMが問題になっていることも多いです。
運用型広告の出稿はリアルタイム入札ですので、競争相手の少なくターゲットの広い入札ですとCPMが安くなります。
したがって、配信設定をペルソナのみに絞っている場合は広いターゲットを対象にし、システムの最適化によってコンバージョンから類似拡張したターゲットに配信して貰うことでターゲットにリーチしながらもCPMを抑えることが出来ます。(ただしコンバージョンが溜まらない初動は数値が悪くなります)
さらにシステムはクリエイティブの訴求もちゃんと見ています。美容クリームでしたらシミ訴求やシワ訴求のようなメジャーな訴求はCTRはあがりますがCPMも高騰します。
そこを考えて、CTRのみを追わずにCPMを意識した入札ライバルの少ない訴求を見つけることが大事です。
これを見つけるためにパワープレイで大量のクリエイティブテストを消化していくのですが、経験のある運用者は数値の目途と勝ちパターンを知っているため、主に経験からの勝ちパターン2個くらいと新しいタイプの1パターン程度を入れ替えながら運用することが多いです。
したがって、運用型広告とはさまざま数値を見て論理的考察のもとに解決というようなものではなく、経験と訴求・クリエイティブを情報収集しながら地道に改善していく作業になります。